第94夜 魚

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じめじめした印象のある黒魔術系のグループにいるわりにはカラッとした人で、背が高くやたら男前だった。 そのせいかオフで会ってもキョースケ、キョースケと呼ばれていて、本人もそれが気に入ってるようだった。   あるオフの席で、「夢」の話になった。 予知夢とか、そういう話がみんな好きなので、盛り上がっていたが京介さんだけ黙ってビールを飲んでいる。   僕が、どうしたんですか、と聞くと一言、   「私は夢をみない」   機嫌を損ねてしまう気がしたのでそれ以上突っ込まなかったが、その一言がずっと気になっていた。 大学生になってはじめての夏休みに入り、僕は水を得た魚のように心霊スポット巡りなど、オカルト三昧の生活をおくっていた。     そんなある日、目を覚ますと見知らぬ部屋にいたのだった。
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