ドライブ

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ドライブ

助手席に座った恵美に 後ろから 声をかけてきた。 「はじめまして 可愛いね~俺 雅道 コイツは 琢磨ね」 恵美は 少し振り向きながら会釈した。 「恵美です。」 慎は エンジンをかけ タバコに火をつけ車を走らせた。 1時間半…いや 2時間は走ったかも知れない。 その間 車の中では 初めて一緒に遊ぶような感じではなかった。 緊張していた恵美を後ろの2人がほぐしてくれた。 やっと目的地 秋芳洞についた。 (秋芳洞は山口県にあり秋吉台という広大なカルスト大地で観光地として有名である。) ひんやりとした空気が漂う洞窟。何度か来たことはあったが 今日は また違う趣があった。 一緒にお昼を食べ 今度は西長門へ… 海を見ながら コーヒーを飲んだ。 そのあと少し砂浜を歩いた。 ドラマのワンシーンのような気分にさせられた。 帰りの車の中では 恵美はもう みんなと冗談を言えるまでになっていた。 慣れたせいか 恵美はつい聞いてしまった。 「今日は 最初から 4対1だったの?」 一瞬 間があったような気もしたが 「俺 約束するとき 言わなかった?恵美の友達も連れて来ていいよって」 無言になった恵美に 雅道と琢磨が 間に入ってきた。 「ごめん 俺たちジャマだったかな」 「俺も 暇してたし~」 さっきまで 笑いながら話してたのが 嘘のように 嫌なムードになってしまった。 それから 地元につくまで何を話たか覚えていないほど… 夕方6時すぎ 朝待ち合わせた コンビニに戻ってきた。 しばらく 車から降りず今日1日のこと ゲームの話何でもないような話を30分位話していた。 「何か飯いこうか」 慎は 後ろの2人に話しかけた。 「恵美は どうする?時間いいなら いこう」 そのとき 断って 帰っていれば…
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