時の過ぎゆくままに

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「ええ、でも、シャンパンがいいの・・」 「そう・・」 「ごめんなさい・・こんな事で手間を取らせてしまって」 女は申し訳なさそうに苦笑を浮かべる。 「いや、いいんだよ、じゃあ、任せてもらっていい?」 「ええ、お任せします」 男は話をまとめると、手を挙げてホールスタッフを呼び寄せ、注文をした。 「シャンパンカクテルを二つ、お願いします」 「はい、シャンパンカクテルを御二つですね、承知しました」 ホールスタッフは笑顔で注文を受け取ると、手早くメニューを下げ、去っていった。 「シャンパン・・カクテル?」 女は首を傾げて男に尋ねた。 「そう、シャンパンカクテル。知らないかな?」 「ごめんなさい、あまり詳しいほうじゃないから・・」 「はは、謝る必要はないよ。じゃあ、カサブランカって映画は知ってる?」 男は補うように話を切り替えした。
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