朝カレ/夜カレ

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亨の家につくと、まず私達は必ず録画していたテレビを見る。 ジャンルは様々。 ドラマからバラエティーまで。 スポーツ観戦もする。 2人でソファーに座って。 亨の部屋は気品がある。 とっても片付いてて、一つ一つの小物もおしゃれ。 さすがホストだけあって、部屋も広いしテレビも大きい。 「何あれ、ウケる。」 あたしは体育座りをしながら、亨に寄り掛かってポテトチップを食べる。 亨は私の肩を普通に抱き寄せる。 これが普通だから困る。 でもとってもこの空間が好きなんだ。 こんなまったりな時間を過ごして、気付けば日は昇っていたりする。 それから仕事で疲れた亨にはお風呂に入ってもらって、私は朝食を作る。 料理にはある程度自信がある。 小さい頃からやってきた。 この家に合うような気品ある料理は出来ないけど、心をこもった料理だ。 「あっご飯出来たよ。」 私はお風呂から出てきた亨にミネラルウォーターを渡す。 亨はそれを受け取り、ゴクゴク……と音を立てながら飲んでいく。 その姿はいつみても美しい。 彼氏に見とれるってなんか変。 「俺に見とれんな。」 一気に飲み干した空のペットボトルで、亨はこつんとあたしのおでこを叩く。 今日の朝食は、パンにハムエッグ、そしてスープ。 シリアルやヨーグルト、フルーツも添えて。 我ながら頑張るなと少し思う。 亨はもくもくと食べていく。 「ったく本当に今すぐ嫁に来いよ……。」 亨の言う冗談はいつも、真剣になってしまいそうだから怖い。
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