朝カレ/夜カレ

6/26
前へ
/26ページ
次へ
それから私はバイトに行く。 街にあるおしゃれな喫茶店だ。 亨がここの落ち着いた雰囲気が好きだっていってた。 私もすぐにここが落ち着ける場所になったよ。 バイトが終わると、私は壮斗の通っている大学に向かう。 家からわりと近くて通いやすい大学だ。 いつものようにお気に入りのベンチに腰掛けて、壮斗の部屋で見つけた小説を勝手に持ってきて読み始める。 壮斗の部屋には本がいっぱいあって、わけのわかんない本もあれば、誰でも読めそうな文庫本まで、幅広い本があるのだった。 「今日は何読んでるの?」 そこに楽しそうに壮斗がやってきた。 「まだ読み始めたばっか。これこの前の小説の続きだよね。おもしろい?」 「あ~それね。まぁまぁおもしろいかな。」 「これこの前まで壮斗の本棚になかったよね~~。買ったの?」 「うん。ただ俺が読む前に愛瑠に持ってかれたら困るから、読み終わるまで隠しといた。」 壮斗は笑って言った。 「何それ~~」 「愛瑠ひそかにこの著者好きだろ。」 「え?え……まぁ……。」 「今度大学の図書館で、この著者の借りてきてやるよ。」 「本当?ありがとっ。」 「よ~しっ、今日は何食べよっか。」 「う~ん……春巻。」 「春巻!?春巻だけ?変なやつだな~」 私は壮斗と笑いながら歩いた。 夕食を終えると、壮斗は勉強し始める。 その隣で私は本を読む。 最初は壮斗が勉強してる時間、暇で仕方がなかったけど、今ではのんびりこの時間が楽しい。 本なんて読めないって思ったけど意外に楽しい。 難しいのもあるけど、わかりやすく書いてあれば、評論も勉強になる。 壮斗一緒に新聞も読むようになった。 わかんないとこは壮斗が教えてくれるから、最近の私は結構物知りだ。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加