*Ⅰ 『愛してる』‐愛と勇気と近親相姦‐

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そんなある日、旅行に行くことが決まった。 突然でびっくりはしたが、とても嬉しかった。 『にぃに!』 みんなこの日は笑顔だった。僕はいつになくはしゃいだ。それは優治も同じで。 旅行は、最高の思い出となった。 *** 『にぃに…』 目を擦りながら身体を起こす優治。僕もなかなか寝付けないでいたから、声のする方へ目線をやった。 『好き。』 本人は気づいてないのだろう。僕を起こさない為か、小さく呟いた。 『にぃに!?』 優治の声で覚醒する。僕は優治を抱きしめたまま、唇を重ねていた。 『優治…』 小さく名前を呼ぶ。優治の身体がぴくりと震えたのがわかった。 『愛してる…。』 状況を掴めていない様子の優治は挙動不審に慌ている。それでも諦めたのか、僕の背に手を回した。
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