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城下の信長の建てた寺の境内では相撲大会が始まった。
信長は相撲が大好きで何かにつけてはこういった大会を催していた。
この大会は誰でも参加出来る。近隣の力自慢が40人ほど集まった。
この中にまだ幼さを残している久兵衛がいた。この時久兵衛16才。
見た目にはこれといった特徴はない。中背だが良く鍛錬された筋肉をまとっている。少し面長でつぶらな瞳だ。
しかし、この久兵衛、素早い動きで自分の倍くらいの大きさ相手を次々と投げ飛ばす。
「あの者、名は何と申す?」
「は、久兵衛と申す流れ者です。」
「デ、アルカ。」
信長はその有名な口癖を言って頷いた。久兵衛の動きは誰の目もひくだろう。
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