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そのまま久兵衛は安土で、体術・火薬・放火・そして信長の大好きな鉄砲等を学んだ。
この時、久兵衛はあまり目立たない様に行動した。
久兵衛は3つの頃から忍びの訓練を受けている。ここで教わる事は既に一通り学び終わっている。
ここで改めて学んだといえば鉄砲ぐらいのものだ。久兵衛はこの新しい武器に夢中になり、それもどんどん上達していった。
瞬く間に時が過ぎていき、9ヶ月ほど経った夜更け、久兵衛は小六の屋敷に呼ばれた。
部屋に案内されると久兵衛の先輩にあたる家臣が5人座っていた。久兵衛も知っている顔が2人居る。久兵衛はその一番下座に座った。
やがて静かに襖が開き、蜂須賀小六が現れた。
「皆、揃ったか。」
全員を見渡して静かに座った。
皆深々と頭を下げた。
「殿からお下知が来た。」
小六は無表情に告げた。
「上様は石山本願寺に手を妬いている。」
皆黙って聞いている。
「そこで石山の現状を探って来てもらいたい。」
小六はふところから小さな革袋を一番年長の小次郎に渡してそのまま消えた。
革袋にはたっぷりと黄金が入っている。
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