車輪の唄

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「ちょっと、ジュース買ってくるから切符買ってて」 そう言うと彼女は僕の返事も聞かずに自販機に一直線で行ってしまった。 はいはい……。 わかりました……買いますよ。 「えっと…三好町……だっけ?」 券売機にお金を入れて…って金は返してくれるんだろうな!? 返さないとか言ったら泣くぞ…。 桜新町行きの切符を買うとついでに自分の入場券も買った。 その切符はきっとすぐに使うのに大事にポケットにしまった。 すると、ジュースを2本持った彼女が帰ってきた。 1本は僕に渡して、もう一本はもちろん彼女が飲んだ。 「んじゃ!いこっか?」 「ちょっと待て!…お金!」 僕は彼女に右手を伸ばして切符代を要求した。 「あはは…いくらだっけ?」 「2480円」 「……2000円じゃダメ?」 どうやら小銭が無くて払えないようだ…。 「いいよ…400円ちょっとくらい。」 そう言うと彼女は大喜びではしゃいだ。 ホント…彼女といると別れがくるなんて到底思えなかった。 思えないけど……やっぱりお別れなんだ、と思うと急に胸が苦しくなった。
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