勇者神記ファングラム完結記念SS『ジークの夏休み』

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 ──酷い残暑  ヨートゥンヘイム六大魔が四人目、ヴァフスルーズニルとの戦いが激しくなる中、ジークはほんの一時の休息を迎えていた。 「……え? 俺に休みをくれるって?」  ジークは桐斗の突然の申し出に驚き、若干声が高いまま聞き返してしまう。  それに対して桐斗は満面の笑みで頷く。 「うん! いつも巨人との戦いや家事を頑張ってくれているんだもん! たまにはそんな仕事から離れて、楽しんでくれないかなって、昨日お姉ちゃんと相談したんだ。そして、ジーク兄ちゃんには登山を楽しんで貰おうと思ったんだ。まぁ、ちょっと遅い夏休みだね!」 「いや、それは別に構わないけど……」 「ん? どうかしたの、ジーク兄ちゃん」  何やらモゴモゴ呟くジーク。  桐斗はそれが気になって、首を傾げながら聞き直した。
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