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「ごめんね」
帰り道、上坂は申し訳なさそうに俺に謝ってきた。
俺は言葉を返す。
「もういいから、何度も同じ言葉を言わせるなって」
返事は帰ってこない。
今はCDショップからの帰り道。
ほとんど陽は落ちかけていて、街灯の灯りもすでについている。
結局、店員は色々な情報を教えてくれたが、本来の目的に該当しそうな物は何一つなかった。
さっきから上坂は俺に謝ってばかりいる。
きっと俺に気を使っているのだろう、そんなことどうでもいいのに……
坂見 理夢。
出身は岡山県
血液型はB型
7歳の頃からピアノを始め、12歳からギターに触り始める
インディーズで活動していたところにレコード会社が目を付けデビュー
1stシングルは「melow」
趣味はゲーム
好きな食べ物は牛丼
嫌いな食べ物はトマト
ホント、どうでもいい知識ばかり身につけてしまった。
こんなことして何になった?と聞かれたら即答で何にもならなかったと言える
それでも
何かホントに小さな何かを探そうとして、もがきたかった。
何も見つけられなかった俺は役立たずな気がしたから
でも実際、役立たずだったよなぁ……
「なぁ上坂。」
「うん?」
「ごめん」
「え?」
さっきから何度も繰り返し言われている言葉を俺は口にした。
「何かしてやりたいと思ったけど、何もできなかったな……本当に」
「そんなこと…」
「いや、あんな行動取っても意味なかった、馬鹿だったよ。」
「……。」
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