ポッキー

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今日は朝から寝坊 時間がなくて朝ご飯を食べる暇がなかった 一限目前の休み時間、俺を猛烈に襲う空腹感 「腹減った~」 力無く倒れる貧民の如し、机に身を投げた 「朝早くからなんて死に面晒してんのよ」 今にも生き絶えそうになっている俺を冷めた視線がとらえる 「飯食ってねぇんだよ」 「アンタばかぁ?朝ごはんは一日の始まりなのよ、それを抜くなんて自滅行為としか思えないわ」 アスカ? そう言いながら、鞄から取り出したお菓子の包装をこじ開ける大谷 同時に俺の喉元がゴクリと鳴る 「……何見てんのよ」 俺は貴様など全く眼中にない、そのキュートでプリティなスイーツに釘づけなんだ 「ケーッケッケッ、おとなしくそのお菓子をよこせ!さもなくばお前のリコーダーで地面を掘りまくるぞ!」 「素直に欲しいって言いなさいよ!」 うん、そうだね、ごめん 「くれるのか?」 「…ま、まあどうしてもっていうならあげてやらないこともないわ」 大谷はそう言って少し照れ臭そうにうつむく 今なら君が女神に見える! 「ありがとう」 俺は手を差し出してお菓子の到着を待機する体勢に入った 「…………」 しかしいつまで経ってもやって来やしない 不審に思い、前方を見てみると 「お前何やってんだ?」 一本のポッキーをこちらへ突き出したまま大谷は微動だにしない ただ頬を染めながら真っ直ぐに俺を見つめている え?なんなのこれ?どうしたらいいの?響平わかんない 「早く食べないとチョコが溶けてぐちょぐちょになるぞ」 空腹が俺を突き動かし、片手が自動的にポッキーの束へ伸ばされる その瞬間、大谷の目がギラリと光った 「…っ…!人がせっかく……!このバカッ!」 そしてくり出されるスカイアッパー へぇ、空中遊泳ってこんな感じなのか  
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