図書室

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高校の図書室には漫画が置いてある よくそれ目的で訪れる奴が数多く、俺もその一人だ 「さて、よつばとの続きを読むか……ん?」 「ううぅ……あ、後もうちょっと」 大谷だ 図書室で見かけるなんて珍しい 目的の本が取れないらしく、台の上で一生懸命背伸びしてる 危なっかしいな 「えっと大丈夫…か?」 見るに見かねた俺は思いきって声をかけてみることに 「ふぇ?さささ佐藤!?こんなところで何してんのよ!」 「何って……漫画を読書しに」 さっきより台が大揺れなのは気のせいか 「ふーん、どうせエロ漫画でしょ」 「ここにふたりエッチは置いてません」 「何具体的に名前出してんのよ!やっぱりアンタって変態ね」 俺そんなに疑われるような怪しいことしたっけ 「ひでぇな……まあいいけど、それよりお前危なっかしいぞ」 「うるさいわね!しょうがないでしょ、届かないんだから!」 大谷の怒声とともに右へ左へ激しく揺れる台 そして 「おっとっ…と!?」 ついにバランスを崩し足を踏み外した 「大谷!」 間一髪のところで滑り込みを決め、俺は大谷の下敷きとなった 小さな体がポテンと俺の上に着地 「痛っ……くない?」 「怪我はないか?」 「…………」 下敷きな俺を見つめる大谷の顔がみるみる赤面していく 「大谷?」 「いっ、いやあぁぁぁぁぁぁ!!」 性的犯罪者から逃げる女人の如く、大谷は走り去っていった 今日も突き刺さる視線に乾杯☆  
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