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「…ん」
目が覚めると見知った白い天井があった。まだ瞼が重く感じ、うっすらとしか目が開かなかった。
こういうとき程聴覚が敏感になるから困る。嫌でも話し声が入ってくんだよな…。
ほら、騒がしいのが聞こえてきた…。
「よ、やっとお目覚めかな。気分はどう?」
白衣を着た男が話し掛けてきた。
気安く話し掛けんなよ。また余計なことしやがって。
「『最悪』って顔してるね」
奴はニコリと笑いながら言った。
分かってんなら聞くなと思い、俺はそのまま奴を無視して寝ることにした。
「話す気はない…か。まっ、気が向いたら起きて来きなよ。それじゃ」
それだけ言い残し、奴は出ていった。
相変わらず騒がしいお節介だな。あっ、あれでも一応医者か。ウザいだけなんだがな。
それから暫くして外からこそこそと話し声が聞こえてきた。
どうせあの人だろと思った。
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