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「あー怒ったせいで腹減った。なんか食わね?」
確かに。腹は減ったが家で既に晩飯は用意されているだろう。Mr.普通を作りだした田中真紀子(旧姓山田)と田中一郎と共に。
一つ言って置きたいのは俺はこれっぽっちも両親を恨んでなんかいない。ここまで育ててくれたこと感謝している。恨むなんてほうがどうかしている。
まぁそんな両親が待っているだろうから、今日は遠慮しておこう。
「いや、帰って寝る。」
「っま、待たせたのは俺だからなー。しゃあないか。おっとじゃあまた明日なー。明日もとびっきりの普通を見せてくれ。」
「いや、明日こそは普通じゃないところを見せてやるさ。」
……現実になってほしくなかったよ。この言葉。
それから夜空を軽く眺めながらゆっくりと帰る。星が輝いている。さしずめあの輝いてるのが昌之で、その隣でなんか普通の輝きを見せてるのが俺か?
なんてことを考えていると、急に何かを踏んだ。
「なんだよこ……れ……」
まさかだった。上を見ていたばっかりに暴君アルキメデス(今命名。数学者だが。)の足を踏んでしまった。
アルキメデスは唸り声をあげて俺を睨んでいる。
まずい……。
三秒後、一目散に駆け出した。
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