1093人が本棚に入れています
本棚に追加
「全く。私は神だ、みたいなことか?」
「そうだ。私は神だ。」
「お前だったのか」
「そうだ、私だ。」
「暇を持て余した」
「神ヶの」
『遊び』
「じゃねぇぇぇぇだろ!!」
おぉ。日頃昌之とやっている芸人のまね事がこんな初対面の奴と出来るとは。リアル神だが。
「お前さっきからなんなわけ!?いいか!!田中太郎という人間は死んだんだ!!現実逃避かコノヤロー!?」
……少し考えてみた。確かに、俺は完璧に信号を無視したことによる交通事故ってところだろう。
なぜだろう。意外にもすんなり【死】という事実を受け止められた。両親に会えなくなったり昌之なんかの友人と会えなくなるのは悲しいが、今までの人生が普通過ぎであまりやり残したことがないから、こんな気持ちになってるんだろう。
「……なんだよ急に静かになりやがって。死を受け止めたのか?」
「……受け止めたっていうより、まだ実感出来てないって感じだ。俺はこうやって普通に話してるし。」
まぁコイツが神ということも一応信じてやろう。夢オチなら大歓迎だ。
「で?あんたは俺を天国へ連れてってくれるお迎えなのか?どうせなら可愛い天使とかがよかったぜ。」
それを言うとなんだが気まずそうな顔をしてこちらをチラチラ見ている。気持ち悪いな。
しかし決心したのか俺の目を真剣に見つめ、こう言った。
最初のコメントを投稿しよう!