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集中放火をすべき相手を失い、更には包囲されようとしているタイクーン艦隊だったが、タイクーン提督は生粋(きっすい)の用兵家であり、既に戦況はタイクーン提督の思い描いた通りの姿へと変わっていた。
「よし。分断後、敵後背をつけ」
後部に位置していた筈の中央部は次第に突出しており、最初とはほぼ真逆の半球状になると思いきや、そのままマホムッド艦隊のV陣形の中央へと殺到していた。
このまま留まればV陣が狭まり危険な状態になりうるが、タイクーン提督は一気に攻勢を掛けて艦載機(かんさいき)を中心とした突撃陣でこれに臨んだ。
広がりつつあった戦局が急速に狭まり、これに対応できずにマホムッド艦隊中央部は多大な被害を被(こうむ)る事となった。
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