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「集中砲撃で敵戦力を削ぐ事に専念せよ!」
タイクーン中将指示の元、艦隊は徐々に中央が下がり、それとは逆に鑑列の端は敵を包み込むような半球状の陣形へと姿を変えていった。
比較的密集していた中央の敵艦隊が、それに引きずり込まれるように吸い寄せられ、半球に展開するタイクーン艦隊の集中砲火を浴びる。
電磁障壁が生み出す青白い火花を散らしながら、防ぎきれずに被弾した鑑が爆散していく。
「馬鹿者めが……!! 敵の艦隊の動きに惑わされるな!」
マホムッド提督はそう叫ぶと、鑑列の突出を無理矢理制止し、更なる指示を飛ばした。
「敵の包囲を逆手に取れ!」
副官に艦隊運用についていくつかの指示を飛ばし、マホムッド提督は手元にある、幕僚(ばくりょう)がもたらした資料へと視線を移した。
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