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そう言うと隆志は持ってきた鞄の中を探り始めた。
「何してるの?」
さやかが尋ねると、隆志は鞄から取り出した物をさやかに手渡した。
さやかはそれを見てキョトンとする。
「スケッチブック?」
「そう。絵に反応したんなら、俺たちがここで描くのもありじゃないかって思ってな」
そう言うと隆志は自分の分のスケッチブックを出し、さやかに鉛筆を渡す。
「……隆志って絵上手かったっけ?」
疑いの視線を向けるさやかに隆志はケラケラと楽しそうに笑った。
「俺に絵心なんてないって。そういうお前はどうよ?」
「わたしは美術5よ。それに一応デザイナー志望だからそれなりに描けると思う」
「そっか。んじゃ始めるか」
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