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「……約束?ねぇ、約束ってなに?」
さやかは凛の目を覗き込んで尋ねた。
それに、凛はゆっくりと呟いて答える。
「……え………うみ………」
「……もしかして海の絵?」
さやかが尋ねると、凛は感情の希薄な目から涙を流した。
それと同時に、それまでの曇った目に、感情の光が輝いたように見えた。
それを見たさやかは泣きながら嬉しそうに何度も頷いた。
「海の絵だね?」
隆志はニッコリ笑ってさやかの肩をポンと叩いた。
「じゃあ描くか」
さやかは涙を流したままニッコリ笑って頷いた。
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