2831人が本棚に入れています
本棚に追加
その日のうちに担当医師にこのことを説明すると、凛が言葉を発したことは大きな進歩だと言っていた。
この日から、さやかと隆志はひたすら海の絵を描き続けることにする。
次の日には凛のベッドを起こすことを許され、2人は凛から見えるように絵を描いた。
4日目の夕方、凜は初めて視線を2人の絵に向けた。
さらに1週間がたったその日、凛がはっきりと言葉を発した。
「一緒に描きたい」
その言葉に、隆志はあらかじめ用意していた凛の分のスケッチブックを手渡した。
だがずっと寝たきりで、指1本動かそうとしてこなかった凛の体は、うまく動いてくれなかった。
その日から、凛は本格的にリハビリを始めることになった。
最初のコメントを投稿しよう!