2831人が本棚に入れています
本棚に追加
「凛くんみたいな事故じゃなくて病気でなんですけどね。……それでも、親を失った悲しさとかはわかると思います」
陸の話にさやかは言葉を失って唖然としていた。
「悲しくって、毎日泣いてました。それでも今笑えるのは周りの人たちのおかげです。
父さん、兄さん、幼なじみ、その両親、たくさんの人に支えられて『今』があるんです」
そこまで言うと陸はさやかにニッコリ笑った。
「お姉さんがいたことで、きっと凛くんは救われていると思います」
「……そう、かな?」
さやかが尋ねと陸は大きく頷いた。
「凛くんに聞いても、同じこと言うと思いますよ?」
「……ありがとう」
さやかは顔をふせながら目を閉じて微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!