約束

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すると、廊下に赤ちゃんの泣き声が響いた。 さやかと陸がキョトンとして声のした方を見ると、泣いている美月と、慌てた様子の凛が立っていた。 「あっ!姉さんオムツ!オムツの換え!早く!」 わたわたと騒ぐ凛を見て2人は声をあげて笑った。 「なに笑ってんの!」 笑っている2人を見た凛は、切羽詰まった様子で怒る。 「今行くから病室に戻って」 さやかは笑いをこらえながら凛にそう言うと、陸に向きなおった。 「ありがとう、白河くん。話を聞いてもらえてよかった。あの子のこと、よろしくね」 さやかの言葉に陸はニッコリ笑った。 「僕は凛くんの親友ですから」 「だから!早く来てって!」 凛の急かす言葉に2人はもう一度笑ってから、凛の元に向かった。 美月の泣き声と、慌てた凛の声が響く病院の廊下は 真っ白な壁を夕焼けに染められて、 優しく穏やかな赤の世界を作りあげていた。
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