望まれた命

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「……お母さん」 「なに?」 不安げなさやかに、早苗はニッコリ笑った。 さやかはそれを見て目をふせて言った。 「ごめんなさい」 そんなさやかに早苗はやれやれといった表情で尋ねた。 「後悔してるの?」 さやかはその問いに無言で首を振った。 「それなら、謝る必要も、その意味もないでしょう?それに……」 早苗はさやかから美月を受け取った。 「あなたたちのした結果に生まれたのがこの子よ。だから謝ったりしてはダメ。この子は望まれて生まれたんだから」 「お母さん……」 さやかの目から大粒の涙がこぼれた。
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