望まれた命

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その後早苗の運転する車に、凛が助手席、後部座席に美月を抱いたさやかが座って実家に戻った。 家の前に着いた時、さやかは早苗に尋ねた。 「あの、……お父さんは?」 早苗はニッコリ笑った。 「家にいるわよ。それに隆志くんのご両親もね」 「そっか……」 さやかは一度目を閉じた後、決意したように家を見上げた。 そんなさやかに、両手に3人分の荷物を持った凛がニッコリ笑って言った。 「大丈夫だって、姉ちゃん。そんな怖い顔してないで笑って入ろうよ」 「……そうね」 さやかは凛の言葉を飲み込むように、少し間をおいてからニッコリ笑ってこたえた。 早苗が玄関を開いて笑顔で3人に入るように促した。 さやかと凛は目配せをして、ニッコリ笑って一緒に大きな声で言った。 「「ただいま!」」
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