望まれた命

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さやかは頷いてテーブルをはさんで茂と雄介の向かい側に座った。 「そういえば凛は?」 さやかはキョロキョロとあたりを見渡して尋ねた。 「呼んだ?」 凛は大量の食事ののったお盆を手に台所から出てくる。 「……凛、先に話をしようと思ってたんだけど」 早苗がため息をはいてから言うと、凛は不機嫌そうに顔をしかめて言った。 「腹減ったの。ご飯が先。疲れてるのにおあずけは勘弁」 凛はきっぱりと言って、料理を並べてまた台所に消えていった。 さやかは笑って立ち上がった。 「わたしも手伝うよ。お義母さん、美月頼むね」 そう言って律子に美月を預けると、凛の後を追って台所に向かった。
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