望まれた命

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その後、凛とさやかはあらかじめ作られていた料理を食卓に並べると、いよいよ宴会モードに突入した。 「さやちゃんも飲むかい?」 「じゃあちょっとだけ」 雄介が上機嫌ですすめてくるので、さやかは笑顔でグラスにビールをつがれていくのを見ていた。 さやかの横では、凛が赤い顔で茂のすすめる日本酒を飲んでいた。 「凛は飲まない!」 早苗は慌ててとめたが律子がなだめた。 「久しぶりなんだからいいじゃない」 すると律子の言葉に茂がうんうんと頷いた。 「親と杯をかわすなんて、凛は親孝行だなぁ。どうだ、凛?うまいか?」 茂は満面の笑顔で凛を見た。 凛は酔っ払った様子でケラケラ笑って、おかわりを要求した。
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