望まれた命

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雄介の携帯には茂とは違う画像のさやかと美月の姿が写し出されていた。 「さやちゃんたちが出て行った後もずっとわたしたちを説得していたのよ?」 律子は優しく笑ってさやかを見た。 「凛に何回怒鳴られたかわからないわ」 早苗は苦笑しながらそう言った。 「凛が、……怒鳴った?」 さやかは驚いて凛を見た。 凛はいつもニコニコしていて、怒鳴っていた記憶はほとんどなかった。 むしろ、家に帰るつもりがないと言った時だけではないかと思う。 「それだけ真剣で、本当に心配していたんだろうね」 雄介はしみじみと言った。
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