2831人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、今日は笑顔で『おかえり』をいいましょうって決めていたのよ。そしてちゃんと話しあおうって」
早苗は笑顔でそう言った。
「もっとも、凛くんが宴会始めちゃったんだけどね」
律子は楽しそうに笑って言った。
「まぁいいじゃないか、凛らしくて」
茂はグラスの酒を飲みほして笑った。
「……さやちゃん」
雄介が真剣な表情でさやかを見た。
「隆志のこと、本当にありがとう」
そう言って雄介と律子はさやかに頭を下げた。
「そ、そんな……!」
さやかは慌てて頭を上げさせようとしたが、雄介は頭を下げたまま言った。
「隆志が幸せに逝くことができたのはさやちゃんのおかげだ。だからちゃんと礼を言わせてくれ」
最初のコメントを投稿しよう!