望まれた命

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「だから、今日は笑顔で『おかえり』をいいましょうって決めていたのよ。そしてちゃんと話しあおうって」 早苗は笑顔でそう言った。 「もっとも、凛くんが宴会始めちゃったんだけどね」 律子は楽しそうに笑って言った。 「まぁいいじゃないか、凛らしくて」 茂はグラスの酒を飲みほして笑った。 「……さやちゃん」 雄介が真剣な表情でさやかを見た。 「隆志のこと、本当にありがとう」 そう言って雄介と律子はさやかに頭を下げた。 「そ、そんな……!」 さやかは慌てて頭を上げさせようとしたが、雄介は頭を下げたまま言った。 「隆志が幸せに逝くことができたのはさやちゃんのおかげだ。だからちゃんと礼を言わせてくれ」
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