冬空の下で

4/14
前へ
/374ページ
次へ
さやかの言葉に凜は嬉しそうに笑った。 「陸の絵ってすごくいいよ。優しいっていうか、癒される感じで。多分あっちだと思うんだけど」 そう言って、凜はそこから20メートルほど離れた場所に向かった。 そこに飾られていた陸の絵は、紅や黄色に彩られた木々の絵だった。 「なんだか優しい色使いで、白河くんそのままって感じの絵だね」 さやかが陸の絵を見ながら感心してそう言うと、凜が頷く。 「陸の絵ってさ、みんなこんな感じなんだよね。目立つ感じじゃないんだけど、引き付けられるって言うかさ」 「うん、わかるよ……。わたしファンになりそうだよ」 さやかは本気とも冗談ともとれる様子笑って言った。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加