冬空の下で

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陸はニコニコしながら近づいて行くと、肩くらいに髪を切り揃えた女の子の1人が感心したように陸の絵を見て言った。 「素敵な絵だよね、陸くんの描く絵って」 「え?そ、そんなこと…」 陸がその言葉に顔を赤らめているのを見て、凜はニッコリ笑って言った。 「そんなことあるよね~♪」 陸が驚いて凜の方を向いた。 「やっほ~♪」 凜はニッコリ笑って小さく手を振った。 「あ、凜くん」 「誰?」 長い髪を後ろで縛ったもう1人の女の子が陸に尋ねると凜がこたえた。 「矢吹 凜で~す♪陸と同じ美術部で、陸の親友ですよ~♪」 凜が明るく自己紹介をすると、陸がそれにつけたした。 「凜くんは特待生で、僕らの年代じゃトップなんだよ。ちなみに今回の、ていうか今回も金賞は凜くん」
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