冬空の下で

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さやかはなんとかその話を避けようと色々考えたが、結局何も言えず大きなため息をついた。 「……わかった。でも誰にも話しちゃダメだよ?」 「美月が大きくなったら話すかも」 「それは……、仕方ないか……」 さやかは観念したようにがっくり肩を落とした。 「それじゃあ話すけど、これでからかったりしないでね?」 「そんなことするわけないじゃん。大丈夫だって、安心して」 凜がニコニコ笑いながらそう言うと、さやかは一度目を閉じてから空を見上げた。 空は雲1つなく、冬の澄んだ空気をまとった風がそっとさやかの頬をなでた。 「じゃあ、話すね」 そう前置きをして、さやかはゆっくりと話し始めた。
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