大きな右手

6/17
前へ
/374ページ
次へ
結局それが凜が疲れて寝てしまった夜の10時まで続いた。 「じゃあそろそろ帰るね」 さやかがそう言って立ち上がると、隆志も立ち上がった。 「送ってく。俺が凜くん背負ってくわ」 「すぐそこだし別にいいよ」 さやかは断ったが、律子が首を振った。 「すぐそこでも夜なんだから頼みなさいって。こんなんでもボディーガードにはなるからさ」 「えっと、じゃあよろしく」 さやかがそう言うと、隆志はニカッと笑って凜を起こさないようにそっと背負った。 「またいつでもおいでね、さやちゃん。凜くんの遊び相手に困ったらおじさんに任せなさい」 そう言って笑う雄介に手を振って、さやかは隆志の家を後にした。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加