大きな右手

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「それにしても、おじさん凜のこと大好きだよね」 さやかが笑いながらそう言うと、隆志も笑いながら言った。 「親父だけじゃなくてお袋もな。凜くんは俺と違って素直でかわいいんだと」 「たしかに隆志はかわいくないよね」 「高校生にもなってかわいいって言われても嬉しくないっての」 そんな他愛もない話をしながら歩いていると、さやかがふと立ち止まった。 「どうした?」 隆志が振り返って尋ねると、さやかは夜空を見上げて言った。 「叔父さんと叔母さんが亡くなってから色々あったなって思って……」 そう言ってさやかはポツリポツリと話しだした。
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