2831人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと!もう、髪がぐしゃぐしゃじゃない」
さやかがムッとして隆志を恨めしげに見た。
「お前は1人で抱え込みすぎなんだよ」
「え……?」
隆志の言葉にさやかはキョトンとした。
「お前が思ってる以上にまわりは凜くんのこと気にかけてんだよ。お前たち家族だけじゃなくて、俺も、親父も、お袋も」
「わかってるよ……」
さやかはそう言ったが、隆志は首を振った。
「わかってない。だから1人で何とかしようとすんだよ」
「そんなこと……」
さやかはうろたえながら否定しようとしたが、隆志はまっすぐさやかを見据えて言った。
「そんなことないって言い切れるか?」
最初のコメントを投稿しよう!