大きな右手

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さやかは苦笑してチラッと隆志を見て、視線を戻して言った。 「……今はね、凜が1番大事。昨日も言ったけど、凜のそばにいてあげたいの」 そう言ってさやかは一度大きく息をはいて隆志を見た。 「隆志もそうだよね?」 隆志は少し考えるように間をおいて頷いた。 「たしかに俺も凜くんが1番心配だな。……告白しといてなんだけどさやかはその次だな」 隆志はバツが悪そうに苦笑したが、さやかはニッコリ笑った。 「うん。それでいいよ」 隆志がキョトンとしていると、さやかは凜が入っていった小学校を見た。
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