笑顔の時間

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さやかと隆志のデートは、当初いつも凜と一緒に絵を描きに行くことだった。 2人とも凜を心配していたし、無邪気な凜の笑顔が好きだったため、どちらからともなく凜を連れて行った。 この日も凜が1人で行けない距離にある、離れた場所にある公園に3人で来ていた。 「凜くんどんどん絵上手くまってくなぁ」 隆志が凜の絵を覗き込んでそう言うと、さやかが笑った。 「隆志は全然上手くならないよね。今描いてるのは……家?」 「凜くんと同じ木だっての」 その言葉にさやかと凜は目を丸くした。 「……これ見て分かれって無茶だよ」 さやかが苦笑して言うと凜がニッコリ笑って言った。 「隆志兄ちゃん才能ないね」
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