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隆志は背負っている凜をうかがうように、真剣な瞳でチラッと背中に視線を向けた。
「……凜くん、事故の前と同じように笑ってるって思ってたけど、やっぱり辛かったんだな」
さやかは隆志の言葉に沈痛な表情になり、そっと凜の頭を撫でた。
「……事故のショックだけじゃなくて、そのことで周りの人たちに迷惑かけてるって気にしてたなんてね」
「こんなに小さいのに、……背負ってるものが大きすぎるよな」
「……『なんで凜がこんな目に』って今でも思う」
隆志はさやかの言葉に頷いて、もう一度決心するように言った。
「だからこそ、俺たちが力にならないとな。まずはお袋たちに余計なこと言わないように釘をささないとな」
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