笑顔の時間

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「ほら、隆志さん担任だったじゃない? それで休みの日とか遊んでたらさ、教頭先生に会ったんだよ。 その時『隆志兄ちゃん』って呼んだら教頭が 『公私混同はダメだ!』 って怒ったんだ。 だから『隆志さん』って呼ぶようになったの」 「そこのどこに面白い要素があるの?」 さやかが首を傾げて尋ねると、凜は笑いを堪えて言った。 「隆志さんは下を向いて落ち込んでお説教聞いてたんだけど、その時強い風が吹いたんだよ。 そしたら教頭先生のかぶっていたヘルメットが隆志さんの足元に落ちたんだ」 「……ヘルメット?」 「教頭先生はね、髪が薄かったんだよ」 「……つまり………カツラ?」 凜はニヤニヤ笑ってコクコクと頷いた。
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