手紙

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「お父さんたち、明日二日酔い大丈夫かな?」 さやかがイタズラっぽく笑って言うと、凜も同じ表情になった。 「一周忌やるのは午後からだからそれは大丈夫としてもさ、朝に美月が泣いたら頭に響くよね」 2人はクスクス笑った。 するとさやかがため息をついてコップを見つめた。 「……もう1年もたつんだよね」 「姉ちゃん……」 凜が心配そうにさやかを見ていると、さやかは無理に笑顔を作った。 「大丈夫。わかってたことだし、覚悟も出来てたから」 凜は手に持っていたコップをテーブルに置いて首を振った。 「わかってたとか、覚悟してたとか、そういうの関係ないよ。大切な人を失って悲しくない人なんていないんだから」
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