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凜の言葉に、さやかは驚き、嬉しさ、悲しみ、様々な感情の入り混ざった表情になった。
「……隆志から?」
さやかのポツリと呟いた問いに、凜は目を閉じたまま頷いた。
「隆志さんが亡くなる1ヶ月くらい前に手紙が来たんだ。その時一緒に送られてきて……。隠しててゴメン」
「ううん、それはいいの。……読んでもいい?」
「隆志さんが姉ちゃんに書いた手紙だよ?俺が決めることじゃない。……読みたくなかったら捨ててもいいって、隆志さんは書いてたけど……」
凜はそう言って目を開いた。
凜の目は、悲しみや手紙を隠していたことへの罪悪感で涙がたまっていた。
さやかはそんな凜にニッコリ微笑んで「ありがとう」と言ってから、封筒から便箋を取り出した。
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