手紙

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さやかは隆志の手紙を読んでいる途中から涙を堪えることができなかった。 手紙を読み終えて便箋をテーブルに置えて、両手で顔を隠して泣き続けた。 凜はしばらくして、さやかの隣の椅子に移動した。 さやかは凜に気付いて視線を凜に向けた。 すると凜はニッコリ微笑んでいた。 「姉ちゃん、やっと泣いてくれたね。泣き虫のくせに隆志さんの話する時、いつも笑ってたから心配だったんだよ?無理してるのバレバレ」 凜の言葉を聞いて、さやかは涙を拭って尋ねた。 「……凜はこの手紙、読んでたの?」 その問いに凜は首を振った。 「それは姉ちゃん宛ての手紙だもん。姉ちゃん以外読むべきじゃないよ」
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