親友の涙

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12月24日、クリスマスイヴ。 この日、凜の通う来栖学院大学附属高校は2学期の終業式の日。 それと同時に学校主催のクリスマスパーティーが開かれる。 この日は授業もなく、生徒たちは遊びに行くような感覚で学校に向かう。 基本的に陽気な凜は当然朝から楽しみにして、鼻唄まじりに靴を履いていた。 「凜ってば嬉しそうだね」 さやかがニコニコ笑っている凜につられて笑顔で言うと、凜は当然だと言うように頷いた。 「だって今日は授業ないし、パーティーだし、明日から冬休みだもん」 これ以上ないほど機嫌のいい凜に、さやかはクスクス笑った。 「あまり調子に乗りすぎて白河くん困らせないようにね」 「わかってるって。それじゃ行ってきます」 凜はニコニコしながらさやかに敬礼して家を出た。
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