親友の涙

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その後、凜は海の話を聞いてやる瀬ない感情に支配された。 「……つまり、陸は学院祭の時の女の子が好きだったけど、そのコがフランスに留学するってこと?」 海は感情を消すように歯を食いしばって頷いた。 「……遠すぎるよね。今日のりっくん、何を言っても上の空で……」 「……ごめん。やっぱり心配だから陸探すよ」 「あっ!おい!」 凜は海の静止を無視して体育館から出て行った。 教室、美術室、屋上。 学校中を走って探したものの、陸は見つからなかった。 「どこにいるんだよ……」 凜は手の甲で汗を拭いながらそうぼやくと、前から4人組みの女子生徒の集団が歩いてきた。
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