親友の涙

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その後、陸は 『1人にしてほしい』 と凜に告げて何も話そうはしなかった。 凜は少し悩んでから、 『何かあったら力になるから』 と告げてその場を去った。 それからは陸が気になってクリスマスパーティーを楽しむ気分にはなれなかった。 凜は陸を心配して、結局マンションに着くまで暗い表情のままだった。 「ただいま……」 凜はため息をつきながらそう言った。 「おかえりなさい。……どうかしたの?」 さやかは凜がニコニコしながら帰ってくると予想していたため、落ち込んでいるような凜の様子に首をかしげた。 凜は疲れた表情でさやかを見て、少し悩んでから言った。 「……俺さ、姉ちゃんのこと好きだよ」 突然の凜の言葉に、さやかは照れつつも戸惑いながら尋ねた。 「……急にどうしたの?」 凜はため息を1つついて、陸のことを話した。
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