親友の涙

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凜は部屋に入るとドサッとベッドにうつぶせに倒れこんだ。 そしてため息を1つつくと、ゴロリとあおむけになって天井を見上げた。 「……姉ちゃんと、かぁ。考えたことなかったけど、俺たち従姉弟だもんなぁ……」 そう呟くと右腕で視界をおおってため息をついた。 「……でも、もしそうなったら姉ちゃんと美月のそばにいられるんだよなぁ。 ……やっぱり、よくわかんないや」 凜はそう言って苦笑して、ベッドから起き上がった。 そしてイーゼルにかけてあるコンクール用の描きかけの絵を描き始めた。 凜が描いているのは冬空の海。 水平線まで続く海の青と、澄んだ水色の高い空。 凜はその絵を真剣な眼差しで描きながら呟いた。 「恋愛がどうとかはおいといて、 俺はとにかく、姉ちゃんたちを守りたい。 それだけは変わらない。 ……絶対に後悔はしない」
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