想いと決意

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冬休みが明けた3学期の始業式の日の放課後、凜は美術室にいた。 雪花展というプロの画家も出展する大きなコンクールが1月の半ばに締め切られるため、凜だけでなく他の部員も気合いが入っていた。 ……陸を除いて。 陸はこの日学院を休んでいた。 凜は普段は隣にいる陸がいないことが気になり、クリスマスイヴの出来事が原因ではないかと心配していた。 「……あぁ~すいません。ちょっと気が乗らないんで気分転換してきます」 凜はそう言って美術室を出てグラウンドに向かった。 そこでは様々な部活が行われていて、その中からある人物の姿を探した。 「えっと……あっ、いたいた」 凜は髪を後ろに縛った女の子を見つけると駆け足で近付いた。 「小松さん!」 凜が見つけたのは陸の幼なじみの小松 渚だった。 「……矢吹くん?どうしたの?」
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