想いと決意

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それから、陸は暇さえあればイヤホンをつけていた。 凜は不思議に思って何度か尋ねたが、陸は『ただ勉強してるだけだよ』としか答えなかった。 結局それが約3週間続いた日の放課後、部活が始まる前に部長が咳ばらいを1つして言った。 「雪花展の結果が出たから発表するぞ」 「東先生からじゃないの?」 3年生の女子部員が尋ねると部長は頷いて答えた。 「東先生は白河と理事長室に呼ばれてるから代わりに俺から言う」 そう前置きすると、部長は手に持った紙に視線を落として言った。 「佳作に2人。俺と矢吹だ」 その言葉に部員たちは歓声をあげた。 「プロも出展するコンクールで入賞か!」 「やったな、2人とも!」 凜は部員たちに肩を叩かれて苦笑していると、顧問の東がやってきた。
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