想いと決意

15/17
前へ
/374ページ
次へ
「……じゃあ、さやかさんと誰かが抱き合ってたら?」 「え……?」 陸の言葉に凜はポカンとした。 「誰でもいいよ。僕でも、兄さんでも、東先生でも、部長でもいい。リアルな想像をしてみてよ」 「……何を言って――」 「いいから想像して」 陸の真剣な表情に、凜は戸惑いながら目を閉じた。 辺りが暗くなって学院から帰ってくると、マンションの前にさやかと陸がいた。 『あ、姉ちゃ――』 凜は手を振りながら声をかけようとした瞬間、さやかが陸の胸に顔を埋めた。 陸もさやかの背中に腕を回して強く抱きしめた。 凜は頭の中でそんな場面を想像した。 チクリッ (…………!?) 凜は胸がモヤモヤして、針に刺されたような痛みを感じた。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加