想いと決意

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目を丸くして驚く凜に、陸は微笑みながら尋ねた。 「嫌だったでしょ?」 「……嫌だった。でも、そんな状況を想像したら誰だって――」 「誰でもならないよ。それはさやかさんだったからだよ」 凜は陸の言葉に戸惑いながらも、否定しきれなかった。 「兄さんに言われたことなんだけどね、それは『独占欲』なんだって」 「……独占欲って、恋人を自分だけのモノだ!ってやつ?」 凜の問いに、陸は頷いて夜空を見上げた。 「僕はきっと凜くんは家族としてだけじゃなくて、1人の女の人としてもさやかさんが好きなんだと思うよ?」 「姉ちゃんが1人の女の人として、……好き?」 凜がポカンとしていると、陸はニッコリ笑って凜の顔を見た。 「凜くんとさやかさんは従姉弟だし、悪いことじゃないよ。って言っても可能性の1つでしかないけどね」
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